- 転職・就職を考えているけどどういう事業のがあるのかわからない
- SES・受託開発・自社開発で何が得られるのか知りたい
- SES・受託開発・自社開発のキャリアパスが知りたい
これからプログラマーやシステムエンジニアになろうと思っていたり、すでに就職して仕事をしている方の中でもIT業界の業態を知らずに成り行きのキャリアになっている方も多いのではないでしょうか?
同じ内容の仕事をしていても少しキャリアが異なるだけで報酬や待遇も変わってきます。
今のあなたに足りないものや必要なものを知り収入、キャリア、スキル、仕事のやりがい、人脈、QOLを見つけていきましょう。
本記事の内容
- SES・受託開発・自社開発を事業とする企業の特徴
- SES・受託開発・自社開発で何が得られるのか
- SES・受託開発・自社開発のキャリアパス
現在私は自社開発、SES・受託開発の就職経験を経てSESフリーランスエンジニアとして仕事をしています。その実体験にもとづいて記事をまとめました。
SES・受託開発・自社開発の違い
まずはSES、受託開発、自社開発の特徴についてです。
SESをおこなっている会社の特徴
平たく言うならば社員を派遣することで事業を成り立たせている会社です。
SESとはSystem Engineering Serviceの略で、システムエンジニアの労働力(能力・技術力)を提供する契約形態を指します。会社と客先で月の労働時間、例えば「1ヶ月160~180時間の労働力を100万円で提供する」といった形です。
準委任契約で派遣契約とは指揮命令権が異なったりと詳細には違いますが、現場で働くエンジニアからすれば大差ありません。
SESをおこなっている会社に就職すれば、客先に常駐してシステムの開発・保守・運用を行うことになります。
残業は少なめと言われていますが実際の所そんな事はありません。システムのリリース期間が迫っていれば月の上限を超えて残業することは普通にあります。
炎上で人員を増加、そこにあなたが行くことになった場合…おわかりですね?
受託開発をしている会社の特徴
お客さんから依頼を受けてシステムの開発を行い納品する事で事業を成り立たせている会社です。請負契約になるので、SESや派遣と違い完成責任、瑕疵担保責任※1が発生します。またシステムを完成させることが前提となっているため納品後に一括で報酬を受け取る形になります。
客先に常駐することはありませんが、自社に出社して開発するのが通常です。労働時間や休日出勤などは自社の規定に則ることになりますが、何分完璧な商品を決まった期日までに納品しないといけません。
はっきり言います。受託開発はよく燃えます。
※1 瑕疵担保責任:納品物に不備があった場合修正をする責任。損害賠償も発生する場合もある。
自社開発をしている会社の特徴
ここではエンジニアは自社サービスのシステム開発・保守・運用をおこないます。システム開発ではなく、自社独自のサービスで事業を成り立たせている点でSES、受託開発とは異なってきます。
社内で運用、マーケティング、企画をしている方々から依頼を受けてシステム開発を行います。開発の工数見積もりなどをエンジニア側が決めれることもあり、余裕をもってシステム開発に取り掛かることはできます。
コラボのように他社と連携したサービスを提供するなど期限が決まった開発もあり、そういった場合はやはり残業が多めになります。
出世するたびに会議も増えていき徐々に残業も増えていく感じですね。
SES・受託開発・自社開発で得られること
SES、受託開発、自社開発。どの会社で働いても得られるものはあります。あなたが次のステップに進むために必要なものは何でしょう?
SES
- 様々なプログラミング言語にふれることができる
- コミュニケーションスキルが磨かれる
- 人脈を作ることができる
- 能動的・主体的な行動力が身につく
- エンジニアとしての自信を得られる
チームで現場に入る場合、あなたが触れたことのない言語でもメンバーからのフォローが前提になっているので現場に入れます。その意味でSESは様々な言語に触れやすい業態です。
SESは客先にいるエンジニアたちと協力してシステム開発を行います。当然コミュニケーションは必須になります。もしあなたがコミュニケーションをとることが苦手だとしたら慣れるチャンスですね。
中にはフリーランスのエンジニアもいたりします。フリーランスの方と仲良くしておくと、なたが後々独立を考えた時の人脈となります。
複数の現場でのシステム開発を経験するとその分だけ自分のスキルに自信が持てるようになります。自分がエンジニアとしてどのレベルにいるのかをしるのにももってこいですね。
受託開発
- システム開発工程の一から十まで経験を積める
- ベテランエンジニアと一緒に仕事ができる
- 忍耐力を鍛えれる
- 技術選定ができる
- 最新技術にふれることができる
受託開発の一番のメリットはシステムを開発していく上での工程を全て知ることができる点です。
最初に就職した会社が自社開発だったりすると開発工程で何が欠けていてうまくプロジェクトがすすんでいないのかがわからず、そういうものだと認識してしまうケースがあります。
受託開発はシステム開発の責任がSESや自社開発よりも重いためベテランエンジニアがきっちりとする仕事を間近で体験することができます。
どういった理由からその技術を選択したのか?障害が起きた時にどのように対応するのか?こういった体験はあなたのエンジニア人生にとって資産となります。
納期が短いことがあったりと苦しい期間もありますが、それも含めてタフなエンジニアになるための礎を作ることができるでしょう。
自社開発
- 上流工程に関わることができる
- 最新技術を導入することができる
- マネジメント業務ができる
- サービスの企画から携われる
- 努力の結果が報酬として実を結びやすい
自社開発はエンジニアとしてのスキルよりも、サービスや売り上げを伸ばす知識の方が身につきます。といいますのもすでに自社サービスのシステム基盤の開発は完了していて、追加機能やバグの修正がエンジニアとしてのメインの開発業務になるからです。
サービスが長い会社ほど保守的で新しい技術を導入することを嫌がる傾向もあります。
自社内のエンジニアだけでは開発の人でが足りない場合、SESなどで業務委託のエンジニアと一緒に開発をしていくことになります。そういった場合、社員であるあなたがマネジメントをすることになります。
一方これから立ち上げのサービスに携われる場合、最初から技術選定に関われたり最新技術の導入し技術を磨いていくこともできます。この場合あなた自身も高い技術や知識が求められます。
最新技術に触れられるかは就職した時点でのその会社がどのステージにいるのかに大きく影響を受けます。
SES・受託開発・自社開発のキャリアパス
あなたの望むキャリアに進むには何が必要なのか?生活を叶えるためには何をすればよいのか?もう一度整理してみましょう。
SESと受託開発
SESと受託開発のキャリアパスはほぼ同じで大きくは二択です。マネジメント職とテクニカル職です。
マネジメント職とは?
部下を持って部下のメンタルケアをしつつ会社員として、エンジニアとしての成長を促す役職です。
就職したての若手はまずエンジニアとしてのスキルの向上を求められます。ここでのあなたは一生懸命仕事をしているだけで十分な段階です。
2~3年経つと若手のフォローや教育を任されるようになります。あなたはタスクを効率よくこなす必要が出てきます。
4~5年経つと会社への貢献を求められるようになります。例えば勉強会を開いたり、若手の会社への帰属意識を高めるために飲み会を開いたりなど慕われるような活動だったりですね。この時点での年収は500万~600万くらいでしょうか。
お客さんの評価や社内での人望を集めていくとリーダーになり自分のチームを持つようになります。あなたのチームからの離職者が少ないことや順調に成長し新たなリーダーがでてきたりします。そうすると最終的にチームリーダーをまとめるマネージャーへと昇進します。
SESや受託開発だと部下の管理と並行してシステム開発もこなしていく必要があります。
個人的にはかなりハードな役職かと感じますが、ここまできたエンジニアの市場価値は計り知れません。会社にもよりますが年収も800万~1000万以上のクラスになります。
テクニカル職とは?
エンジニアとしての技術や知識を追求した者のみが到達できる役職です。
この役職は、なりたいと思ってなれるものではなく一種の才能のようなものが必要かと思います。
あなたの周りにも一人くらいはいるのではないでしょうか?プログラミングが大好きで寝ても覚めてもプログラミングをしていないと生きていけない。呼吸をするかのようにプログラミングに従事し、身も心もプログラミングに捧げているような人が。
エンジニアなら誰しもが夢見る役職であり、かつ誰しもがなれるわけではない役職ですね。私が働いていた会社では年収1000万を超えていたようです。
自社開発
自社開発ではテクニカル職はそこまで評価されません。もちろんみなさん敬意をはらってくれますし、「あの人がいれば大丈夫」という地位を得られます。ただ自社開発の会社はあくまでサービスの会社です。やはりどれだけ売り上げに貢献できたのかが最大の評価軸になります。
- 仲間の信頼を集めている
- 効率よくプロジェクトを回すことができる
- 問題や障害が発生した時に適切な対応ができる
- いざとなれば自身でも開発を行うことができる
エンジニアとしてまずはこういった場面でリーダーシップを発揮できると上司から評価され昇進していきます。
具体的には、開発メンバー → チームリーダー → 複数のチームをみるマネージャー → 開発チーム全体をみるマネージャーと昇進します。
マネージャーになった辺りから企画とも会議をするようになります。ここから売り上げに貢献するチャンスが舞い込んできます。
自社開発の会社では上が空かないとなかなか昇進できないのはネックですね。
給与テーブルは細かく別れているので昇給はしていきます。年収は企業の大きさによって変わってくるので収入を求めるならば大手に就職できると一気に変わってきます。
結論
転職しよう!
あなたが収入、キャリア、スキル、仕事のやりがい、人脈、もしくは生活の質のいずれかを向上させたいと思った場合、転職が近道です。
仮に今の会社でのキャリアパスがあなたの望むものだったとしても転職することをおすすめします
同じ会社で働き続けていても得られるものは毎年の微々たる昇給くらいでそれ以外のものが得られる機会がなく、キャリアを積めないからです。収入の面だけで見ても、同じ仕事をこなして収入だけ増えたら嬉しいですよね?
実際の体験談です。
よく私のところに質問・相談にくる方いました。私は自分の作業時間を削って彼担当のエラーの原因や修正の方向についての提案を良くしていました。しばらくするとその方は現場を切られてしまいました。技術力不足が原因です。でもその方の年収は私より80万ほど高かったのです
結構ショックでしたね。
仕事ができることよりもキャリアで判断されることの方が多いです。仕方ありません。一緒に仕事をする前の判断材料がキャリアになるわけですから。
転職への失敗や今のキャリアを手放してしまう心配はわかります。ですが転職で失敗してしまってもキャリアは積み重なっていくものです。
その時必要だと感じ思い切って行動をとったという経験と同じ失敗を回避できるという知識が身につきます。
今仕事が忙しくて行動に移すのが辛い、大変なんだ、どうせ元に戻ってしまうという気持ちもわかります。
何も今すぐに履歴書を作成して面接に行く必要はありません。ですが一歩だけ行動してみませんか?転職サイトを開いてみるだけでも昨日までのあなたとはもう違うはずです。どんなに小さくても行動に移したんですから。
このままで良いという気持ちを押し切ってほんの少し行動を起こし、その積み上げの先に新しいあなたがいるんです。
もしあなたが今エンジニアとして成長していきたいと望むなら、あなたの望む未来を想像し、今のあなたに足りたいものを補えるような長所を伸ばせるような仕事に関わっていけるとよいのではないでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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